グレーハウンドバスに揺られ約4時間、ミッドタウン42丁目のポート・オーソリティに着いた。そこから今夜が初めて見るミュージカル"DreamGirls"の格安チケットを買うためにTimesSqureのど真ん中にあるチケッツへ歩く。
しかしブースの前はすでに人盛り、様々な人種と言葉があちこちで聞こえてくる、これがニューヨークなんだなあ!改めて実感した。
そして思わずバックパックのチャックを閉め直した。ようやくチケットをゲット。時間までピクルスの刻みをたっぷり載せたホットドックを食べながら、ガラス越しの街を、通行人を眺める。
ここには様々な人達がいて、翻弄される人生に、笑い、泣き、叫んでいるような営みの縮図と、そして底知れね躍動のようなものを感じてくる。
自分を見失うと生きていけなくなりそうな街なんだ?と寂しいやら、新たな希望が胸の中で渦巻いてくる。
初めて観るミュージカル"DreamGirls"は女性コーラスシュープリームスのサクセスストーリーものだ。1階の奥まった席に案内され少し緊張気味。
オープニングのテーマのブラスの壮大な響き、軽快な前振りにカウベルが乗る、そして重厚なワインカラーのベルベットの幕が、そっと、開いた。
僕の胸の中の風船が少しずつ膨らんでいく、、、、、、軽快なリズムに乗ったダンス、夢と葛藤が織りなす芝居、内に秘めた愛のメロディなど、、、、、瞬く間に時間が過ぎてゆく。
そしてラストシーン、ステージには何もなく、中央に置かれたみかん箱3つに天井からのスポットが真下を照らす、そこに真っ白なプリーツを着た3人の女性が立つ、そしてついに夢見たステージで歌う、顎を高くあげ、遠くたどってきた道を見つめなをすかのように、、、、、、
最後は観客全員のスタンディングオーベーションで終わった。僕も手が痛くなるほど拍手した。
なんと素晴らしいんだろう!これまで味わったことのない感動だ。歌、踊り、芝居、全てが最高、涙さえ溢れそうになってきた。ミュージカルは素晴らしい!
今夜の事は決して忘れないと自分に言い聞かせ、”いつの日かこの感動のメロディを作ってやるんだ”と心に決めた夜になった。
波打つ感動を胸に仕舞い込んで、34丁目のYMCAと歩いて行った。
NewYorkで体験したあの感動のメロディを作り出すために、一本の鉛筆であなたの情熱を聞けることを、そっと待っています。
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